土佐文旦について

土佐文旦の成り立ち

「文旦(ぶんたん)」は、「さぼん」「ぼんたん」などさまざま名前で呼ばれ、原生地は中国・台湾という説が強く、江戸時代に日本に伝わったそうです。

現在、日本では約15種類前後の「文旦」が栽培され、その一つで最も有名なのが「土佐文旦」です。

「土佐文旦」は昭和20年前後に土佐市の農家に植えられ、栽培が広まりました。 つまり、土佐市は「土佐文旦」発祥の地であり、また日本一の産地でもあります。

文旦の代表的な品種

土佐文旦(温室/ハウス文旦)

生産量が多くなく、希少価値の高い品種です。
もともと山の斜面での露地栽培が主流な土佐文旦ですが、冬の寒さや台風被害により影響を受けた年は不作も課題でした。そこで1980年代ごろから広まったのが、ハウス栽培による温室土佐文旦(ハウス土佐文旦)です。

山地が多く平地が少ない高知県ではハウスを建設する農地の確保や、温度管理や水分管理に重油費・水道光熱費がかかることから、生産量は多くなく希少価値の高い品種です。土佐文旦発祥の地、土佐市戸波でも10件ほどの農家でしか栽培していません。

艶やかで美しく、上品で濃厚。贈答用におすすめ。

価格は露地栽培よりは高いですが、傷も少なく形も粒揃いで、発色良く艶々としており、見た目にも美しいことから、高知県を代表する高級フルーツとして、お歳暮や冬ギフトとして大変喜ばれております。

もちろん美味しさも格別です。露地栽培の土佐文旦と比較しても、糖度が高く甘みが強いのが特徴です。露地文旦の糖度が10〜12度ほどなのに対し、温室土佐文旦の糖度は13〜15度。他のフルーツでいうと、イチゴほどです。土佐文旦本来の爽やかさやほろ苦さも感じられ、非常に上品で濃厚な味に仕上がっています。

土佐文旦(露地文旦)

土佐文旦本来の旨味と甘味を味わえます
高知の太陽と風雨を直接浴びて育つ露地文旦は土佐文旦本来の旨味を味わえます。果肉がしっかりとしまっていて、温室文旦よりも少し糖度は落ちますが、優しい風味で、味も爽やか。よりサッパリとお召し上がりになれます。

露地栽培の土佐文旦の収穫は温室文旦の出荷が最盛期を迎える12月ごろ、太陽をたくさん浴びさせ温室文旦よりもじっくりと育てられます。

熟成させることで、上品な甘みに

実は、収穫直後の露地文旦は酸味や渋みが強くそのままでは商品としてご提供できません。そのため、「野囲い(のがこい)」という昔からの貯蔵方法で1〜2ヶ月間熟成させていきます。そのため、出荷は例年2月から始まります。

「野囲い」とは農畑などに穴を掘り収穫後の露地文旦を入れ、その上からポリシートや藁などで覆い貯蔵する方法。こうすることでだんだんと適度に水分が抜け、酸味が和らぎ、土佐文旦特有の上品な甘みがでてきます。

当農園では品質管理を徹底しより美味しく

当農園では近年、昔ながらの野囲いではなく、巨大貯蔵庫を出荷場近くに構え、貯蔵・熟成を行なっています。外気の変化が激しい昨今、貯蔵庫で温度管理を徹底・過度な乾燥を防ぐことで、より美味しく安定した品質の露地文旦をお届けいたします。

水晶文旦

水晶文旦は土佐文旦の次に有名な文旦の品種で、土佐文旦が黄色く熟した見た目なのに対し、外皮が緑色の状態なのが特徴です。

外側は緑色でも、中身は完全に熟しており文旦の中では糖度が高い品種です。水晶文旦の収穫は9月頃から、出荷は9月中下旬~11月下旬で、秋が旬の果物です。土佐文旦とはそもそも品種自体が異なり、寒さに弱いためハウス栽培がほとんどです。